しーとちゃん しーとちゃん

けんじさん、隣の席の先輩がマウスをほとんど使わずにExcelを操作してて、すごい速いんですよ。

けんじ けんじ

それ、ショートカットキーを使いこなしてるんだと思うよ。自分もマウス操作を減らしてから作業時間がだいぶ短くなった。

しーとちゃん しーとちゃん

覚えることが多そうで、ちょっと敬遠しちゃってます…

けんじ けんじ

全部覚える必要はなくて、よく使うものだけで十分効果あるよ。今日は自分が実務で本当に使っているものだけ厳選して紹介するね。

前回の記事で関数の基本を紹介しましたが、関数と同じくらい作業効率を左右するのがショートカットキーです。マウスでメニューを一つひとつクリックするのと、キーボードだけで操作するのとでは、積み重なると1日の作業時間に大きな差が出ます。

自分も入社当初はマウス操作が中心でしたが、よく使うショートカットを少しずつ覚えていくうちに、資料作成のスピードが目に見えて上がりました。この記事では、実務で本当によく使うものだけを厳選して紹介します。

2台のモニターとキーボードが並んだデスク環境

修飾キーの役割を知ると丸暗記しなくて済む

いきなり一覧を覚えようとすると挫折します。自分がラクになったのは、修飾キーの性格をなんとなく掴んでからでした。

キー だいたいの性格
Ctrl 操作そのもの(コピー・保存・検索など)
Shift 「範囲を広げる」「逆向きにする」
Alt リボンのメニューをキーで辿る
Ctrl + Shift Ctrlの操作を「範囲に対して」行う

たとえば Ctrl + → が「データの端まで移動」なら、Ctrl + Shift + → は「データの端まで選択」になります。Ctrl + 9 が行の非表示なら、Ctrl + Shift + 9 が再表示です。この対応関係がわかると、覚える数が実質半分になります。

Alt だけは性格が違います(同時押しではなく「順押し」)

表の中で Alt だけ「リボンをキーで辿る」と書いたのには理由があります。Ctrl + C のような同時押しではなく、1つずつ順番に押していく操作だからです。

Excelの画面で Alt を一度押して離すと、リボンのタブやボタンの上に小さなアルファベットが表示されます。これは「キーヒント(アクセスキー)」と呼ばれるもので、表示された文字を順に押していくと、マウスでクリックするのと同じ操作ができます。

たとえば列幅を文字数に合わせて自動調整したいときは、列を選択してから Alt → H → O → I の順に押します。ホームタブ(H)→ 書式(O)→ 列の幅の自動調整(I)を辿っているだけです。行の高さなら Alt → H → O → A になります。

操作 順に押すキー
列幅を内容に合わせて自動調整 Alt → H → O → I
行の高さを自動調整 Alt → H → O → A
セルの塗りつぶし色を選ぶ Alt → H → H
行の挿入 Alt → H → I → R
列の挿入 Alt → H → I → C

ここが Alt の大きな利点で、覚えていなくても画面に出た文字を見ながら辿れば必ずたどり着きます。 自分は最初、Altキーの操作を「玄人向け」だと思って避けていましたが、実際には「マウスで押すボタンをキーで押しているだけ」でした。よく使う経路だけ手が覚えてしまえば、それがそのままショートカットになります。

基本操作系のショートカット

まずは、Excelに限らずWindows全般で使える基本のショートカットです。

ショートカット 動作
Ctrl + C コピー
Ctrl + X 切り取り
Ctrl + V 貼り付け
Ctrl + Z 元に戻す
Ctrl + Y やり直す
Ctrl + S 上書き保存
Ctrl + A すべて選択
Ctrl + F 検索
Ctrl + H 置換
Ctrl + P 印刷プレビュー
Ctrl + W ブックを閉じる

この中でも特に「Ctrl + Z(元に戻す)」は、操作ミスをしたときの命綱です。自分は今でも数式を間違えて入力したときなど、迷わずまずこれを押す癖がついています。

セル移動・選択系のショートカット

Excelならではの、データ範囲を素早く移動・選択するためのショートカットです。

ショートカット 動作
Ctrl + 矢印キー データが入力されている範囲の端まで移動
Ctrl + Shift + 矢印キー データの端まで選択
Ctrl + Home セルA1に移動
Ctrl + End データが入力されている最後のセルに移動
Shift + Space 行全体を選択
Ctrl + Space 列全体を選択
Ctrl + Shift + End 現在位置からデータの末尾までを選択

両手がキーボードに乗っている様子

特に「Ctrl + 矢印キー」は、数百行あるデータの一番下まで一瞬で移動できるため、大きな表を扱う際に非常に重宝します。自分はこれを覚えるまで、スクロールバーを延々とドラッグしていました。

Shift + Space が効かないときの落とし穴

行選択の Shift + Space は、日本語入力がオンになっていると効きません(半角/全角の切り替えが優先されるため)。自分は最初これで「このショートカット壊れてる」と勘違いしていました。半角入力に切り替えてから押すと、ちゃんと行が選択されます。

入力・編集系のショートカット

セルの編集作業をスムーズにするショートカットです。

ショートカット 動作
F2 選択したセルを編集モードにする
F4 直前の操作を繰り返す/数式内で相対参照と絶対参照を切り替える
Alt + Enter セル内で改行する
Ctrl + ; 今日の日付を入力する
Ctrl + : 現在の時刻を入力する
Ctrl + D 上のセルの内容を下にコピーする
Ctrl + R 左のセルの内容を右にコピーする
Ctrl + 1 セルの書式設定ダイアログを開く
Ctrl + Enter 選択範囲すべてに同じ内容を一括入力する

Ctrlキーが写った青い背景のキーボード

F4キーの意外な使い方

F4キーは「直前の操作を繰り返す」機能として知られていますが、数式を入力しているときに押すと、セル参照の形式(相対参照・絶対参照・複合参照)を順番に切り替えることができます。たとえば A1 を選択した状態でF4を押すと $A$1 → A$1 → $A1 → A1 の順に切り替わります。これを知ってから、絶対参照の「$」マークを手入力する手間がなくなりました。

VLOOKUPのような検索範囲を固定したい関数では特に出番が多く、VLOOKUPとXLOOKUPの違いを書いたときも、範囲指定はほぼF4で済ませています。

Ctrl + Enter は地味だけど効く

複数のセルを選択した状態で入力し、最後に Ctrl + Enter を押すと、選択範囲すべてに同じ値が一気に入ります。「空欄に一律で0を入れる」といった前処理で、コピー&ペーストを繰り返す必要がなくなりました。

貼り付け系のショートカット

実務で地味に一番助かるのが、貼り付け方法を選ぶ操作です。数式や書式ごと貼り付いてしまい、表の見た目が崩れる事故を防げます。

ショートカット 動作
Ctrl + Alt + V 形式を選択して貼り付け(ダイアログを開く)
Ctrl + Shift + V 値のみを貼り付け(対応バージョンのみ)
Alt → E → S → V → Enter 値のみを貼り付け(従来からある確実な方法)

Ctrl + Shift + V の「値のみ貼り付け」は、Microsoft 365の比較的新しいバージョンで使えるようになった操作です。自分の職場のように環境がバラバラだと動かないPCもあるので、その場合は Ctrl + Alt + V でダイアログを開き、「値」を選ぶ方法を使っています。どちらか片方を確実に手に覚えさせておけば十分です。

表・シート操作系のショートカット

ショートカット 動作
Ctrl + T 選択範囲をテーブルに変換する
Ctrl + Shift + L フィルターの表示・非表示を切り替える
Ctrl + Page Down 次のシートに移動する
Ctrl + Page Up 前のシートに移動する
Alt + = 選択範囲の下・右にオートSUMを挿入する
Ctrl + 9 選択した行を非表示にする
Ctrl + Shift + 9 非表示にした行を再表示する
Alt + ; 表示されているセル(可視セル)だけを選択する

シートが多いブックを扱うときは、Ctrl + Page Down / Ctrl + Page Up でシートタブをクリックせずに移動できるのが便利です。関数の基本で紹介したSUM関数も、Alt + = を使えばキーボードだけで一瞬で挿入できます。

Alt + ;(可視セルの選択)を知らないと事故る

フィルターで絞り込んだ表をそのままコピーすると、隠れている行まで一緒にコピーされてしまうことがあります。これを防ぐのが Alt + ; です。範囲を選択したあとに Alt + ; を押してからコピーすると、画面に見えている行だけがコピーされます。

自分は集計表の一部だけを別シートに移す作業でこれを知らず、非表示行のデータまで混ざった資料を提出してしまったことがあります。フィルターや行の非表示を使う人ほど、優先して覚える価値があります。

いちばん元が取れるのは Ctrl + G(ジャンプ)

一覧には入れていませんが、覚えたときの効果がいちばん大きかったのが Ctrl + G です。単なる「指定したセルに移動する」機能に見えますが、本領は条件に合うセルだけを一括で選択できるところにあります。

手順はこうです。

  1. 対象にしたい範囲を選択する
  2. Ctrl + G を押して「ジャンプ」のダイアログを開く
  3. 左下の「セル選択」をクリックする
  4. 「選択オプション」から条件を選んでOKを押す

選べる条件は、空白セル・数式セル・値セル・可視セル・エラー値・条件付き書式が設定されたセル・入力規則が設定されたセルなど多岐にわたります。

選ぶ条件 こんなときに使う
空白セル 未入力の欄を一括で洗い出す・まとめて埋める
数式セル 数式が入っている箇所だけ確認・保護する
値セル(定数) 手入力された数字だけを消して雛形にする
可視セル フィルターで絞った行だけをコピーする
エラー値 #N/A や #DIV/0! の場所を一気に特定する
条件付き書式 どこに書式ルールがかかっているか確認する

「空白セルを一括で埋める」が一番よく使います

自分が実務でいちばん使うのが、空欄をまとめて埋める操作です。

  1. 表の範囲を選択する
  2. Ctrl + G →「セル選択」→「空白セル」でOK
  3. 空欄がすべて選択された状態のまま、入れたい値(たとえば 0)を入力する
  4. 最後に Ctrl + Enter を押す

これだけで、表中の空欄がすべて 0 になります。数百行の表を上から順にスクロールしながら埋めていた頃と比べると、作業時間が文字通り桁で変わりました。前述の Ctrl + Enter は、この使い方をして初めて真価がわかった操作でもあります。

なお、「可視セル」の選択は前のセクションで紹介した Alt + ; と同じ機能です。Alt + ; はその一発版、Ctrl + G はメニューから選ぶ版と考えてください。ジャンプ機能を覚えておくと、Alt + ; を忘れても同じことができます。

覚えられないものは「自分で作る」という手もあります

Alt → E → S → V → Enter のような長い操作は、毎日使わないと忘れます。自分はこれを暗記するのをあきらめ、クイックアクセスツールバーに登録する方法に切り替えました。

クイックアクセスツールバーは、リボンの上(または下)に並ぶ小さなアイコンの列です。ここに登録したコマンドは、Alt を押したときに左から順に 1, 2, 3... と番号が振られ、Alt + 1、Alt + 2 で実行できるようになります。

登録の手順は次の通りです。

  1. クイックアクセスツールバー右端の下向き矢印をクリックし、「その他のコマンド」を選ぶ
  2. 開いた「Excelのオプション」の左側から、よく使う操作を選んで「追加」する
  3. 右側のリストで、上下の矢印を使って並び順を調整する(Alt + 1 にしたいものを一番上に)

自分は「値のみ貼り付け」を Alt + 1 に、「書式のクリア」を Alt + 2 に置いています。どちらも標準のショートカットが長い、あるいは存在しない操作です。この設定はそのPCの自分の環境に保存されるので、完全に自分専用のショートカットを作れるのが利点です。逆に、他の人のPCでは使えないので、共有端末での作業が多い人は標準のショートカットを覚えるほうが確実です。

Macを使っている場合の読み替え

社内でMacを使っている人もいるので、対応表も載せておきます。基本は Ctrl を command に読み替えるだけです。

Windows Mac
Ctrl + C / V / Z command + C / V / Z
F2(セル編集) control + U
F4(参照の切り替え) command + T
Alt + Enter(セル内改行) control + option + Enter
Ctrl + ;(日付入力) control + ;

Macのファンクションキーは初期設定だと画面の明るさなどが優先されるため、F2 や F4 を使う場合は fn キーを併用するか、システム設定でファンクションキーの挙動を変えておくと快適です。

ショートカットを覚えるコツ

すべてを一度に覚えようとすると挫折しやすいので、自分がおすすめする覚え方は「1週間に2〜3個だけ意識して使う」というやり方です。

  • 自分が日常的によく行う操作(コピー・貼り付け・保存など)から覚える
  • 覚えたいショートカットを付箋にメモしてモニターに貼っておく
  • マウスに手を伸ばしそうになったら、一度立ち止まってショートカットがないか考える

自分もこの方法で、半年ほどかけて少しずつショートカットを増やしていきました。最初から完璧を目指さず、よく使うものから着実に身につけるのが結果的に一番の近道です。

最初の1週間で覚えるならこの5つ

迷ったら、この5つから始めてみてください。どれも使用頻度が高く、覚えた瞬間から効果が実感できます。

優先順位 ショートカット 理由
1 Ctrl + Z ミスを一瞬で取り消せる安心感
2 Ctrl + 矢印キー 大きな表の移動が劇的に速くなる
3 Ctrl + S こまめな保存が習慣になる
4 F4 数式の絶対参照でつまずかなくなる
5 Ctrl + Shift + L フィルターの付け外しが一瞬

うまく動かないときのチェックポイント

  • 日本語入力がオンになっていないか(Shift + Space などが効かなくなる)
  • ノートPCで Fn キーとの併用が必要な設定になっていないか
  • 他のアプリ(IME、常駐ソフト、Web会議ツール)が同じキーを横取りしていないか
  • 保護されたシートで、そもそも操作が禁止されていないか

「効かない=自分が間違えている」と思い込みがちですが、環境側の理由も多いです。自分は常駐ソフトに Ctrl + Shift + L を取られていて、しばらく原因がわからず悩みました。

まとめ

ショートカットキーは、覚えれば覚えるほど作業効率が上がる投資のようなものです。修飾キーの役割を掴んでおけば丸暗記の量は半分で済みますし、まずは Ctrl + Z・Ctrl + 矢印キー・F4 あたりから試して、少しずつマウスに頼らない操作に慣れていってください。集計作業が多い方は、ピボットテーブルとあわせて覚えると、さらに効率が上がります。

この記事の要点を表にまとめておきます。

項目 覚えておきたいこと
修飾キーの性格 Ctrl=操作、Shift=範囲を広げる、Ctrl + Shift=操作を範囲に
Alt は別枠 同時押しではなく順押し。画面の文字を見ながら辿れる
移動の主役 Ctrl + 矢印(移動)と Ctrl + Shift + 矢印(選択)
F4 直前の操作の繰り返し+数式内の参照切り替え
Ctrl + Enter 選択範囲すべてに同じ値を一括入力
Ctrl + G 条件を選んでセルを一括選択。空白埋めが劇的に速くなる
Alt + ; フィルター中の可視セルだけをコピーする事故防止策
貼り付け Ctrl + Alt + V はどの環境でも使える確実な方法
長い操作 クイックアクセスツールバーに登録して Alt + 数字 にする
効かないとき 日本語入力・Fn キー設定・常駐ソフトの競合を疑う
覚え方 1週間に2〜3個ずつ。まずは Ctrl + Z から
しーとちゃん しーとちゃん

Ctrl+矢印キーだけでも今日から使えそうです!Alt+;の可視セル選択は知らなかったので、フィルターを使うときに気をつけます。

けんじ けんじ

いいね。焦らず、よく使うものから覚えていけば十分だよ。気づいたら手が勝手に動くようになってるはず。